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タンス預金は相続対策に使えない? 隠しても税務署にバレてしまう?

2021年08月26日
  • 遺産を残す方
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タンス預金は相続対策に使えない? 隠しても税務署にバレてしまう?

50代を超えると少しずつご自身が亡くなった際の相続について考え始める方も増えてきます。その際に、気になるのがタンス預金の取り扱いです。最近は銀行の金利が低く、タンス預金をそのままにしている方も増えています。また、コロナ禍でお金を使う機会が減り、タンス預金が増え始めたという方もいることでしょう。

さて、自分にもしものことがあった場合、タンス預金はどうなるのでしょうか。

本記事では、タンス預金と相続について、相続税の観点も含めてベリーベスト法律事務所 福山オフィスの弁護士が解説します。

1、タンス預金とは

タンス預金とは、銀行などの金融機関に預けずに、自宅に保管しているお金のことです
特に、亡くなった方が生前に現金を自宅で保管していたり、亡くなった方の口座から家族などが引き出して自宅に保管したりする場合が数多くあります。このようなお金がタンス預金と呼ばれます。

自宅の中でもタンスの引き出しに、そっと現金をしまっておくことが多かったため、このような名称がつきました。実際には、タンス以外の場所、たとえば、自宅の金庫やベッドの下、仏壇、庭に埋めておかれた現金も同様にタンス預金と呼ばれています。

  1. (1)なぜタンス預金をするのか

    金融機関に預けずに、タンス預金をする理由には、大きく分けて2つあります

    ひとつは、自分の手元に現金を置いておかなければ不安だというものです。銀行に預けていると、いざというときにすぐ使えませんし、自分の目で現金を確認するほうが安心だという心理です。

    タンス預金をするもうひとつの理由は、相続税対策です。本人が亡くなって相続が発生した場合に、基礎控除額の範囲を超える相続財産に対して相続税がかかります。

    相続人は、自分が相続で受け取った財産について相続税を納める義務があります。そして、相続税は遺産の額が多ければ多いほど、負担額が増えていく仕組みです。
    したがって、相続税の負担を小さくするためには遺産を少なくする必要があります。

    この点、銀行預金と異なり、タンス預金は他人の目に触れることがないため、遺産として申告しないで済むという考えになりがちです

    つまり、遺産として申告しなければ、相続税の対象にならず、相続税が安く済むだろうという発想からタンス預金をしている方がいるのです。

  2. (2)タンス預金のリスク

    タンス預金のほうが安心という方もいますが、実際には、タンス預金にはさまざまなリスクが伴います

    主なリスクとしては、盗難被害に遭う可能性がある点です。空き巣や強盗に入られて盗まれるケースもあれば、自宅に出入りする業者から窃盗被害に遭うケースもあります。
    窃盗の被害に遭うと、たとえ犯人が見つかっても返ってこない可能性の方が高いでしょう。

    また、高齢になると次第に財産管理が難しくなってきます。記憶もあいまいになり、どこにいくらしまっているのかわからなくなることもあります。

    また、最近では、災害によって被害を受けて自宅と共に家財や資産が失われてしまったというケースもよくあります。タンス預金にはこうしたリスクがあることを覚えておきましょう。

2、タンス預金も相続財産に含まれるのか?

さて、そもそもタンス預金は相続財産に含まれるのでしょうか。その答えはイエスです。

相続税は、被相続人が持っていた財産(相続財産)に対して課されます。相続財産としては、被相続人が保有していた預貯金や、不動産、株式などの有価証券、自動車などが考えられます。

そして、現金も被相続人のものであれば相続財産に含まれまるため、金融機関に預けず自宅で保管しているタンス預金も相続財産にあたります
そのため、相続人は、被相続人が死亡した時点で、家の中に保管されている現金を集めて計算し、総額をきちんと把握しなければなりません。

相続税は自己申告制度に基づき、相続人の申告によって決まりますので、全ての資産につき細かい証明書が必要となるわけではありません。

特に現金は預貯金と異なって、銀行などの第三者に金額を証明してもらえるわけではなく、具体的に金額を証明する方法自体がありません。あくまで相続人が発見できた現金を集計し、その総額を相続財産として申告することになります。

3、タンス預金は遺産相続のトラブルになる可能性も

タンス預金は、遺産相続の際にトラブルに発展する可能性があります。タンス預金でもめる場合には大きく分けてふたつあります

  1. (1)誰かがタンス預金を持ち出した場合

    タンス預金は銀行預金とは違い、その存在や金額を第三者が証明することができません。そのため、たとえば、被相続人と同居していた家族や近親者が、タンス預金を発見して無断で持ち去ったとしても、他の相続人にはわからないままになってしまいます。

    他の相続人が、タンス預金があったはずだという主張をしても、「亡くなった時点ではそんなものはなかった」と言われてしまえば、他の相続人は引き下がらざるを得ません。タンス預金の存在と金額を正確に立証することは難しいからです。

    この点は、タンス預金だけでなく貴金属なども同じです。被相続人がひそかにしまいこんでいたアクセサリーなどを、誰かがこっそり持っていってわからなくなってしまうケースがあるのです。そのため、相続開始後は、被相続人の身の回りの現金や貴金属等が勝手に持ち去られないように十分注意する必要があります。

    あったはずのタンス預金が見つからないとなると、遺族は、親族のうちの誰かが盗んだのではないかとお互いに疑心暗鬼になって、遺産分割協議が進まないという事態に発展することもあります。遺産分割協議はあくまで相続人間の話し合いですので、相続人の間でもめてしまうと協議が進まず、誰も遺産を受け取れない状況が続いてしまいます。

  2. (2)タンス預金が遺産分割協議後に発見された場合

    すべての遺産相続手続きが終わった後にタンス預金が発見される場合もあります。遺産分割協議と相続税の申告が終わったころ、実家の遺品を整理していたら、思わぬところから多額の現金が見つかったという場合などです。

    そうなると、相続財産が変わるために、遺産分割をやり直さなければなりませんし、それに伴い相続税申告も修正が必要になり、大きな手間がかかってきます。この時点で、相続人間の信頼関係が崩れている場合は、再び相続トラブルに発展する可能性があります。

4、タンス預金は税務署にバレる?

タンス預金は相続税で申告しなくても見つからないのでしょうか。相続税対策でタンス預金をしている方にとっては大いに気になるところです。

この点、銀行預金と違いタンス預金は税務署にばれないという声も耳にしますが、税務調査が入った場合は、そうはいかないと思っておきましょう

数万円程度の少額であれば、見つからない場合もあるかもしれませんが、それなりに大きな金額になってくると、税務調査で見つかる可能性がかなり高くなります。税務署がどのようなタンス預金を把握しているのかについて以下で解説します。

  1. (1)税務署は被相続人とその相続人の口座を確認している

    そもそも税務署には、相続税の税務調査の際に、あらゆる金融機関に対して、相続人の名義預金を銀行や証券会社に照会して自由に調査する権限があります。この調査権限に基づき、相続人だけでなく、関係者の金融機関の残高や口座の出入金履歴もすべてチェックされます。

    そのため、まとまった額の預金が引き出された後に、どこにも入金履歴がない場合、タンス預金として自宅に保管されている可能性が高いと推察することができます。

    この場合、税務署からタンス預金について疑われる可能性が高まります。また、タンス預金を引き継いだ親族が、自分の預金口座に入金していると、それが遺産の一部ではないかという疑いを税務署にかけられ、バレてしまうことがあります。

  2. (2)過去の出金記録をさかのぼって調査している

    税務署は相続税の調査にあたっては、直近の口座記録だけでなく、過去何年にもさかのぼって口座の入出金記録を調査します。

    そのため、仮に被相続人が何年も前に多額の預金を引き出した記録がある場合、それが遠い過去のことであったとしても、預金の使用目的を証明することができなければ、タンス預金などの隠し財産があるという疑いをかけられることになります。

    そして、疑わしいものについては相続人に対して事情説明を求められることがあります。

    なお、多額の遺産があると予想されるのに、相続税の申告をしないでいると、無申告と判断され、重い追加徴税が課されます。

    追加税としては、無申告加算税や過少申告加算税などが考えられます。このうち、無申告加算税については、税務調査を受けた後に申告する場合、本来納税すべきだった額の50万円までが15%、それ以上に関しては20%の加算税が課されることになります。

    また、無申告は脱税行為ですから、最悪の場合は刑事罰を受けるリスクさえあります。

    相続税を払いたくない、できるだけ少額で済ませたいという気持ちは誰にでもあります。
    しかし、税務署の調査能力はとても高いため、正直に事実の通りに正直に行うほうが安全で、追徴課税などによる損をせずに済むのです。

5、まとめ

自宅に保管しているタンス預金であれば、税務署にバレないだろうと考えていても、税務署は強い調査権限をもっているために、バレてしまうリスクが十分にあります。タンス預金以外にも、残された親族のために良かれと思ってやっていたことが、思わぬ相続トラブルに発展することも多くあります。相続税は事前に対策しておくことで、軽減できる可能性があります。また、相続時の親族のトラブルを防ぐためにも、生前にできることはたくさんあります。税理士や弁護士などによく相談して、ご自身の事情に合った準備をしておきましょう。

ベリーベストグループには弁護士をはじめ、税理士も所属しております。ここ福山オフィスにご相談をいただければ、相続税対策に詳しい税理士とも連携しつつ、対応いたします。遺産相続に関わることでお困りの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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