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兄弟姉妹の遺産相続を放棄する方法は? ひとりだけ放棄も可能?

2022年09月26日
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兄弟姉妹の遺産相続を放棄する方法は? ひとりだけ放棄も可能?

裁判所が公表している司法統計によると、令和2年に広島家庭裁判所に新たに申し立てのあった相続放棄の申述の件数は、5013件でした。

家族が亡くなった場合には、被相続人の兄弟姉妹が遺産を相続することもあります。しかし、兄弟姉妹は、別々に生活していることが多いものです。「兄弟姉妹と長い間疎遠になっており、連絡も取りたくない」という方も少なくないでしょう。そのなかには、積極的に遺産を相続することを希望せず、相続放棄を検討している方もおられます。

本コラムでは、兄弟姉妹の遺産相続を放棄する方法とその注意点について、ベリーベスト法律事務所 福山オフィスの弁護士が解説します。

1、兄弟姉妹が相続人となるケース

以下では、被相続人が死亡した場合に、被相続人の兄弟姉妹が相続人となるケースについて解説します。

  1. (1)被相続人に子どもがおらず、両親がすでに他界しているケース

    被相続人が死亡した場合の法定相続人の範囲については、民法によって以下のように規定されています。

    • 子どもなどの直系卑属及び配偶者(第1順位)
    • 両親などの直系尊属(第2順位)
    • 兄弟姉妹(第3順位)


    法定相続人には、上記のように第1順位から第3順位までの順位が決まっており、先順位の相続人がいない場合に後順位の相続人が遺産を相続することができる、という関係にあります。
    被相続人に子どもがいる場合には、両親と兄弟姉妹には相続権はありません。被相続人に子どもがいない場合で、かつ、両親も既に亡くなっている場合には、兄弟姉妹に相続権が認められることになっています。
    なお、被相続人に配偶者がいた場合には、当該配偶者は、他の相続人の順位に関係なく、常に相続人になることができます。

  2. (2)兄弟姉妹以外の相続人がすべて相続放棄をしているケース

    先順位の相続人が生存している場合には、兄弟姉妹は相続をすることができないのが原則ですが、例外的に先順位の相続人が生存していても兄弟姉妹が相続することができる場合があります。
    それは、「兄弟姉妹以外の相続人がすべて相続放棄をしている」というケースです。

    相続放棄をすることによってその相続人は初めから相続人でなかったことになるため、同順位の相続人がすべて相続放棄した場合には、次順位の相続人に相続権が移ることになります。
    つまり、第1順位の相続人と第2順位の相続人がいずれも相続放棄をした場合には、第3順位の相続人である兄弟姉妹に相続権が認められることになるのです

2、相続放棄をする方法

以下では、相続放棄という制度の概要や、相続放棄をするための具体的な方法について解説します。

  1. (1)相続放棄とは

    相続放棄とは、「被相続人の遺産に対する一切の権利を放棄する」ための手続きです。
    相続放棄をすることによって、その相続人には遺産に対する相続権がなくなるため、借金などのマイナスの財産だけでなく、預貯金などのプラスの財産についても相続することができなくなります。

    一般的に、相続放棄は、主に被相続人に多額の借金がある場合や、相続争いに巻き込まれることを避けるために利用される手続きです。
    しかし、「相続人と疎遠であったため、積極的に財産を相続する意向がない」という場合にも利用されます。

  2. (2)相続放棄の期限

    相続放棄は、家庭裁判所に相続放棄の申述という形で行う必要があります。そして、相続放棄には期限が定められており、相続開始があったことを知ったときから3カ月以内に手続きを行う必要があります

    被相続人に兄弟姉妹以外の相続人がいない場合は、兄弟姉妹が被相続人の死亡を知った日から相続放棄の期限のカウントが開始されます。
    これに対して、被相続人に兄弟姉妹以外の先順位の相続人がいる場合には、先順位の相続人が相続放棄をしたことを知った日から相続放棄の期限のカウントが開始されるのです。
    兄弟姉妹が法定相続人になる場合には、相続放棄の期限のカウントが開始されるタイミングが異なってきます。
    ご自身がどのパターンにあたるのかを正確に判断したうえで、相続放棄の手続きを進めるようにしましょう

  3. (3)相続放棄の手続きの流れ

    相続放棄の手続きは、以下のような流れで行います。

    ① 家庭裁判所に相続放棄の申述
    相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述書と以下の書類を提出する方法で行います。

    • 被相続人の出生から死亡時までのすべての戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本
    • 被相続人の子が死亡しているときには、その子の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本
    • 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本
    • 申述人が代襲相続人のときには被代襲者の死亡の記載のある戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本


    相続放棄の申述には、申述人1人につき800円分の収入印紙と郵便切手を納める必要があります
    郵便切手の金額と組み合わせは申述をする家庭裁判所によって異なってきますので、事前に確認してから申述を行いましょう。

    ② 相続放棄の申述に関する照会
    家庭裁判所に相続放棄の申述をしてからしばらくすると、家庭裁判所から申述人の自宅に「相続放棄の申述に関する照会書」という書面が送られてきます。

    相続放棄は、被相続人の遺産に関する一切の権利を放棄するという重大な結果が生じるために、「相続放棄の申述が本当に申述人の真意に基づくものであるか」「相続放棄の申述の要件を満たしているか」などを確認するための手続きが必要になるのです。

    ③ 照会に対する回答書の提出
    家庭裁判所から相続放棄の申述に関する照会が届いたら、照会書に記載されている事項に沿って回答書を作成します。
    作成した回答書は、期限までに家庭裁判所に返送する必要があります

    ④ 相続放棄の申述の受理
    申述人からの回答書の内容を踏まえて、家庭裁判所の裁判官が相続放棄の申述を受理するかどうかを判断します。

    相続放棄の申述が受理された場合には、申述人に対して「相続放棄申述受理通知書」が送られてきます。
    この書類が届けば、相続放棄の手続きは完了となります。

3、相続放棄をする場合の注意点

相続放棄をする場合には、以下の点に注意が必要です。

  1. (1)ひとりだけ相続放棄をする場合

    相続放棄は、各相続人が自由に行うことができますので、兄弟姉妹のうちひとりだけ相続放棄をするということも可能です。
    また、相続放棄をしたことを他の兄弟姉妹に知らせなければならない法律上の義務はありませんので、こっそりと相続放棄をしてしまうということも可能です。

    しかし、相続放棄をしたことを他の兄弟姉妹が把握していないと、遺産分割の手続きをスムーズに進めることができません。
    相続トラブルを回避するためにも、「相続放棄をした」という事実は、できるかぎり他の兄弟姉妹に知らせるようにしましょう

  2. (2)相続人全員が相続放棄する場合

    兄弟姉妹の全員が相続放棄をすると、被相続人に配偶者がいない場合には、相続人は誰もいない状態となります。
    相続人が誰もいなくなった場合には、最終的に被相続人の遺産は国庫に帰属することになりますが、そのためには相続財産管理人の選任が必要になります。

    相続人全員が相続放棄したとしても、相続財産管理人の選任がされていない場合には、最後に相続放棄した人に相続財産に対する管理責任が残ってしまいます。
    したがって、相続財産に空き家などが含まれている場合には、注意して管理するようにしましょう

  3. (3)相続放棄では代襲相続は発生しない

    代襲相続とは、相続人が被相続人よりも前に死亡している場合に、死亡した相続人の子どもが相続人になることができる制度です。
    たとえば、被相続人の兄弟姉妹が被相続人よりも先に亡くなっていたとしても、被相続人の甥(おい)姪(めい)が生存している場合には、甥姪が被相続人の遺産を相続することができます。

    一方で、相続放棄は、「初めから相続人でなかったもの」とみなす制度です。
    そのため、相続放棄をした相続人の相続権が甥姪に移るということはありません

4、遺産相続のお悩みは弁護士へ

遺産相続に関するお悩みは、弁護士に相談をすることをおすすめします。

  1. (1)相続放棄をすべきかどうかアドバイスをしてもらえる

    相続放棄をすると、借金などのマイナスの財産だけでなく、プラスの財産についても相続することができなくなります。
    したがって、相続放棄をする前には、しっかりと相続財産を調査することが大切です。

    しかし、不慣れな方ではどのような方法で財産を調査すればよいかわからず、あっという間に相続放棄の期限を経過してしまうおそれもあります。
    特に兄弟姉妹が相続人になるケースでは、プラスの財産だけでなくマイナスの財産についても一切情報がなく、手探りの状態で財産を探さなければならないということも少なくありません。
    正確な財産調査を行うためには、相続に関する知識と経験が不可欠となります。
    相続放棄の期限内に相続放棄をすべきかどうかを判断するためにも、早めに弁護士に相談することをおすすめします

  2. (2)相続放棄の手続きを任せることができる

    相続放棄をする場合には、家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません。
    そして、相続放棄の申述をするためには、申述書の作成や必要書類の収集などをする必要があります。
    また、家庭裁判所からの相続放棄の申述に関する照会に回答する場合には、不適切な対応をしてしまうと相続放棄の申述が受理してもらないこともあるのです。

    多くの方にとって、相続放棄の手続きを進めるためには、専門家によるサポートが必要になるでしょう。
    弁護士に依頼をすれば、必要書類の収集から相続放棄の申述まで、一連の手続きをすべて任せることができます
    そのため、相続放棄の手続きにかかる負担を、大幅に軽減することができるのです。

5、まとめ

兄弟姉妹が相続人になる場合には、被相続人の遺産をしっかりと調査してから相続放棄をするかどうかを判断することが重要です。
そのためには、相続問題に詳しい弁護士のサポートが不可欠となります。

ベリーベスト法律事務所には弁護士のほかにも税理士や司法書士が在籍しており、相続に関わるさまざまな問題についてのサポートを、ワンストップで提供いたします
まずはお気軽に、ベリーベスト法律事務所にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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