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録音は離婚の証拠になる? 証拠にならないケースと録音時のポイント

2022年09月26日
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録音は離婚の証拠になる? 証拠にならないケースと録音時のポイント

広島県福山市における令和2年の婚姻件数は2074件で、離婚件数は739件でした。

不貞行為・DV・モラハラの現場音声や、離婚協議におけるやり取りの録音データは、離婚調停や離婚訴訟で証拠として利用できる場合があります。ただし、録音によって離婚の証拠収集を図る際には、録音データの証拠価値を高めるための注意点をふまえた対応が求められます。

本コラムでは、離婚手続きにおいて録音データを証拠利用する場合の注意点や、録音データ以外に利用可能な証拠の例などについて、ベリーベスト法律事務所 福山オフィスの弁護士が解説します。

1、録音データは離婚事由の証拠になるか?

離婚に関する訴訟や調停を行う際には、録音データを証拠として効果的に活用することで有利に進められる場合があります。
ただし、録音データが違法な方法によって記録されたなどの問題があるケースでは、証拠能力が否定される可能性がある点に注意してください。

  1. (1)録音データは不貞行為・DV・モラハラなどの証拠になり得る

    録音データは、その内容によっては、不貞行為やDV・モラハラなどの離婚事由を証明する証拠として効果的に機能します。

    離婚事由を証明するものとして役立つ録音データの典型例は、不倫相手との性交渉が行われている現場や、自分に対する暴力やモラハラ(暴言や侮辱など)が行われている現場の音声を記録したものです。
    このような録音データが残っていれば、離婚事由を直接的に証明する証拠として用いることができます。

  2. (2)離婚協議の録音データも証拠として活用可能

    離婚協議の録音データも、離婚事由を証明する証拠として活用できる場合があります。

    不貞行為・DV・モラハラなどの現場音声の録音が存在しなくても、離婚協議の中で相手がこれらの離婚事由を認めた言動を録音していれば、離婚事由の存在が推認されます。
    また、離婚事由として婚姻関係の破綻を主張する場合には、離婚協議が極めて険悪な雰囲気で行われている様子の録音データが、婚姻関係の破綻を示す間接的な証拠となる可能性があるのです。

    離婚事由を証明する決定的な証拠ではなかったとしても、離婚調停において録音データを裁判所に提出することは、調停委員を味方に付けるために役立つ可能性があります。
    「離婚した方が、夫婦の双方にとって利益になる」ということについて、調停委員の理解を得ることができれば、調停委員は離婚をするように相手を説得してくれる可能性があります。

  3. (3)録音方法の違法性が強い場合、証拠能力が認められない可能性あり

    刑事訴訟とは異なり、民事訴訟では「違法収集証拠であっても証拠能力が一律に否定されることはない」とされています。

    ただし、裁判例では、「録音データの証拠採用が訴訟上の信義則(民事訴訟法第2条)に反する場合には、民事訴訟でも違法収集証拠の証拠能力が否定される」と判示したものがあるのです(東京高裁平成28年5月19日判決)。
    「訴訟上の信義則」に反するかどうかについては、具体的には、以下の要素を総合的に考慮したうえで判断されます。

    • 証拠の収集の方法、態様
    • 違法な証拠収集によって侵害される権利利益の要保護性
    • 訴訟における証拠としての重要性


    盗聴や盗撮などの方法により、相手に無断で取得した録音データは、違法収集証拠として訴訟における証拠能力を否定される場合があるので注意が必要です

2、離婚協議を録音する際の注意点

録音データを離婚調停や訴訟で効果的に活用し、録音に関するトラブルや法的責任を回避するため、離婚協議でのやり取りを録音する際には、以下の点に注意してください。

  1. (1)録音について相手の承諾を得る

    前述のとおり、相手に無断で記録した録音データは、訴訟における証拠能力を否定される可能性があります。
    離婚協議を録音する際には、将来的に離婚訴訟へ発展する可能性も考慮して、可能な限り相手の承諾を得るように努めましょう。

    なお、DVやモラハラの現場音声の録音については、相手方の承諾を得ずに記録したとしても、訴訟における証拠能力が否定される可能性は低いと考えられます
    録音に関する相手の承諾が全く期待できないうえに、相手の行為そのものに強い違法性が認められて、録音データの証拠としての価値も高いためです。

  2. (2)暴言や脅迫などを行わない

    離婚協議において、相手から有利な発言を引き出すために、暴言や脅迫にあたる言動を行う例がしばしば見られます。
    しかし、離婚協議のなかで相手に暴言や脅迫を行うことは、離婚調停や離婚訴訟で不利な結果を招くおそれがあります。

    暴言や脅迫を行った結果、仮に相手が離婚事由の存在などを認めたとしても、相手が任意で自白したとは認められない可能性が高いでしょう
    また、録音データから暴言や脅迫の事実が判明した場合、裁判所から有責配偶者と判断されて、訴訟における離婚請求が認められなくなってしまうおそれもあるのです。

    離婚協議の録音をする際には、将来的に調停や訴訟でデータを提出する可能性のことも考慮して、相手に対する暴言や脅迫は行わないようにしてください。

  3. (3)相手自身の言葉で話してもらう

    離婚協議での話し合いが相手に対する誘導尋問のような形になってしまうと、録音データの証拠価値は低くなってしまいます

    たとえば相手に対して質問をする際には、「はい」か「いいえ」でしか答えられないような質問をするのではなく、相手が自分の言葉で回答できるようにオープンな問いかけをすることが大切です。

    相手自身の言葉で離婚の経緯などが語られれば、録音内容の信ぴょう性が増して、離婚調停や訴訟における証拠価値が高まるでしょう。

  4. (4)相手に無断で録音内容を第三者に開示しない

    たとえ親しい家族や友人に対してであっても、離婚協議の録音データを配偶者に無断で第三者に開示することは控えるべきです

    離婚協議の録音データは、配偶者にとって他人に知られたくない事実に当たるため、無断開示はプライバシー権の侵害に該当します。
    もし録音データを勝手に第三者へ開示したことが判明した場合、配偶者から慰謝料などの損害賠償請求を受ける可能性があるのです。

3、録音以外にも離婚の証拠を集めよう|利用可能な証拠の例

離婚協議の録音データは、不貞行為・DV・モラハラなどの離婚事由を推認させる効果を持つものの、立証の決定打とはならないケースが多々あります。
したがって、離婚事由の内容に合わせて、録音以外の証拠もできる限り収集することが大切です。

以下では、不貞行為・DV・モラハラのそれぞれについて証明に用いることができる証拠の例を挙げます。

  1. (1)不貞行為の証拠例

    不貞行為の証拠例としては、以下のものが挙げられます。

    • 不貞行為の現場を撮影した動画、画像、写真
    • ラブホテルや当事者の自宅に2人で出入りする場面の動画、画像、写真
    • 不貞行為に関連するメッセージや会話のやり取り
    • 配偶者の通話履歴
    • 配偶者の移動に関するGPS記録
    • ラブホテルの領収証
    • 当事者が作成したメモ
    • 探偵事務所の調査報告書
    • 知人の証言


  2. (2)DVの証拠例

    DVの証拠例としては、以下のものが挙げられます。

    • DVの現場を撮影した動画、画像、写真
    • ケガの部位を撮影した動画、画像、写真
    • 警察への相談記録
    • 医療機関での受診記録
    • 暴力的な言動が記載されたメッセージや会話のやり取り
    • 日記、メモ
    • 知人の証言


  3. (3)モラハラの証拠例

    モラハラの証拠例としては、以下のものが挙げられます。

    • モラハラの現場を撮影した動画、画像、写真
    • 警察への相談記録
    • 医療機関での受診記録
    • 侮辱的な言動が記載されたメッセージや会話のやり取り
    • 日記、メモ
    • 知人の証言


4、離婚協議や証拠収集に行き詰まったら弁護士にご相談を

相手が離婚を拒否している場合、最終的には離婚訴訟を提起して、証拠に基づいて離婚事由の存在を立証しなければなりません。

離婚事由の証拠は、思いがけないところに残っていることがよくあります。
証拠収集に行き詰まったように思えても、専門的・第三者的な視点から再検討することで、活路が開けることがあるのです。

弁護士は、離婚事由に関する証拠の収集を含めて、早期の離婚成立に向けてどのように対応すべきかをアドバイスすることができます
また、離婚協議・調停・訴訟や慰謝料請求などの手続きも、弁護士に一任することができます。
「配偶者との離婚を早期に成立させたい」と希望される方は、お早めに弁護士までご相談ください。

5、まとめ

不貞行為・DV・モラハラなどの現場音声や、離婚協議の内容などに関係する録音データは、離婚手続きにおける証拠として活用できる可能性があります。

ただし、違法に収集した録音データは、訴訟での証拠能力が否定されることがあります。
また、録音データだけでは、離婚事由を証明する決定打にならないケースも多くあるため、他の証拠と組み合わせて活用することが重要です。

ベリーベスト法律事務所の弁護士は、お客さまのご状況に合わせて、協議離婚・調停離婚・裁判離婚などすべての可能性を検討し、最適な形で離婚問題を解決できるように尽力いたします。
配偶者との離婚を検討されている方は、ベリーベスト法律事務所にご連絡ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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